投資初心者でも老後資金2000万円が貯まる!積立による長期国際分散投資の7ステップで実現する「いそがない資産運用」のススメ。

もくじ
いつもありがとうございます、田口智隆です。
このページに辿りついた人は、将来に向けてお金を貯めていきたいと思っている人でしょう。そんな人にオススメなのが「長期積立国際分散投資」。漢字ばかりで難しく感じられますが、「投資初心者の方でも安全に、かつ着実にお金を増やしていく方法」がこの投資スタイルです。
なぜ長期で積立の分散投資をしたほうがいいのか。それには大きく次の2つがあります。
・株やFXなどで短期的な投資をするのはリスクが大きいため
では、一体どのように投資を進めていけばよいのでしょうか。この記事では、資産を形成して、運用していく流れについて解説していきます。どのような商品に投資をしたらいいか、具体的な方法について解説するので、この記事を読めば投資未経験の方でも、すぐに投資が始められます。
ただし、「2〜3年で1億円を貯めてアーリーリタイアしたい」という人はこの記事に書いてある方法は向いていないでしょう。逆に、「今すぐに稼げなくてもいいから、老後資金2000万円の備えをしておきたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
長期積立国際分散投資の7ステップ
長期積立国際分散投資の流れは、大きく次の7つのステップがあります。
②達成までの年数を決める
③目標利率を決める
④毎月の積立金額を決める
⑤ポートフォリオを組む
⑥ポートフォリオに応じて投資信託を選ぶ
⑦年に一度リバランスする
この7つは、必ずしもこの流れを守らないといけないというものではありません。特に①〜④については、このうちのどれかが決まれば自ずと他も決まってくるものです。
しかし、投資について何も分からないという初心者の方は、この7つのステップを順番通り一緒にやっていきましょう。初めての人にも分かるように説明していくので、ご安心ください!
長期積立国際分散投資の流れ①自分に合ったファイナンシャル・ゴールを決める
まずは、あなたが投資をして得たい未来について、目標を立てることから始めましょう。何事も目標がないと、どこに向かって進んでいるか分からずに挫折してしまいます。
このとき、冒頭でも触れたように「1億円を早く作ってリタイアしたい」など、短絡的なものは良くありません。その理由は、年齢によって立てるべきファイナンシャル・ゴールが変わってくるからです。
20代や30代など、若い世代なら定年までに1億円の資産を築くことは十分可能です。例えば、毎月5万円を積み立てて、年利8%で運用すれば、35年間で1億円の資産を作ることができます。
反面、定年を控えた人や定年後の人はまた話が変わってきます。これらのシニア層は、若い人のように「資産を増やすこと」を目的とせず、「資産を守っていくこと」を目的にゴールを設定するほうがよいでしょう。どうしてもシニア層は時間が限られていますからね。
また、目標を立てるとなると高すぎる金額にしてしまう人がいますが、これもよくありません。あなたが将来やりたいことは何か、それをするためにどのくらいの資産が必要なのか。これをじっくり考えてみましょう。
長期積立国際分散投資の流れ②達成までの年数を決める
ファイナンシャル・ゴールが決まったら、それを何年で達成するかを決めていきます。このとき、「資産形成は時間をかければかけるほど有利になる」ということを覚えておきましょう。
積立投資をするうえで、「元本」「利回り」「時間」の3つの要素がカギとなってきます。このとき同じ目標を達成するために、運用期間が長いほど低い利回りで達成することができるのです。
ここでひとつ例を出してみます。「60歳までに3,000万円の資産を作る」という目標を立てたときに、毎月3万円を積立した場合に必要な利回りを年齢別に表にしてみました。
年齢 | 運用期間 | 利回り |
50歳 | 10年 | 34% |
40歳 | 20年 | 12% |
30歳 | 30年 | 6% |
25歳 | 35年 | 4.5% |
このように、若いときに積立投資を始めるとより低い利回りの運用で目標を達成できます。
また、50歳の利回り34%という数字は、たとえプロが運用しても達成はかなり難しいです。だから「資産形成は時間をかければかけるほど有利」なのです。
このとき、「若いうちに高いリスクの投資をしてもやり直せるから、40代か50代で1億円の資産が欲しい」と考えるのはよくありません。それは時間をかければ確実に資産を形成できるのに、そのチャンスをみすみす放棄してしてしまうようなものなのです。
また、焦って短期的に大きなリターンを狙うと、市場が下落したときのダメージが大きくなります。その影響で元本割れを起こしてしまうと、「地道に投資をしたほうがよかった」という結果になってしまう恐れもあります。
あなたが目指しているのは、一か八かの逆転ですか?それとも時間は掛かるけど安定した老後ですか?これをじっくり考えてみましょう。
長期積立国際分散投資の流れ③目標利回りを決める
次に、年間でどれくらいの利回りで運用すればいいのか、目標の利率を決めましょう。
この目標は、毎年必ず達成しないといけないというものではありません。投資で相手にしているのは「相場」です。これは常に変動しているため、毎年同じような利回りで運用することは難しいです。
「平均でこれくらいの利回りが必要だ」という程度でOK!この数字を決めておくと、長い運用期間の途中で順調に運用できているかの目安になります。
では、具体的にどれくらいの利回りを設定すればよいのでしょうか。まず最低ラインとして、資産運用にかかるコスト(税金や手数料など)を加味したうえで、インフレ率に負けない程度の利回りは必要です。
1952年1月〜2005年12月までの54年間では、インフレ率は3.5%という数字でした。これに運用にかかるコストを加えると、最低でも年率4%くらいは必要でしょう。
また、目標利率を決めるときにも高く設定するのはよくありません。高い利回りのものは、それ相応のリスクが必要であることが多いです。
目安としては、20代〜30代の人は年率8%くらいがちょうどいいと思っています。この数字でも少し高めで、下落してマイナスが続く可能性もありますが、このくらいなら長い運用ができるのでマイナスも十分取り返せるでしょう。
逆に高齢の人は、資産が減ってしまわないよう、利回りを低めに設定したほうがよいです。例えば40代〜50代なら6%〜8%程度で、60代でリタイヤ後の人ならば「インフレに負けなければいいや」という感覚で4%〜5%程度がオススメです。
もちろんこの目標利回りは、人によってそれぞれ変わってきます。若い人であっても、下落のリスクが気になるという人は、無理せず利回りを下げてみましょう。
長期積立国際分散投資の流れ④毎月の積立金額を決める
ファイナンシャル・ゴール、年数、利回りが決まったら、毎月いくら積立するかを決めていきます。
このとき、いくら積立すればいいかの計算は、Yahoo!やGoogleで「積立 複利 計算」で検索してみましょう。さまざまなサイトで積立金額や利率、運用期間について計算してくれます。利用するのは無料です。
しかし、これらのサイトで計算された積立金額を見て、「毎月こんなに積み立てられない!」という結果が出ることも。それは目標金額が高すぎるか、運用期間が短いとそうなってしまいます。
そのようなときは、毎月の積立金額が現実的な数字に収まるように、目標金額や運用期間を見直してみましょう。
また、「最低で毎月いくら積み立てればいいですか?」という質問を受けるときがあります。答えとしては、「切り詰めすぎず、長期的に積立できるだけの金額ならいくらでもOK」です。月5万円でも、1万円でも構いません。
もちろん、毎月投資できる金額が多いほど、どんどん資産は増えていきます。しかし、逆に積立金額が少なくても、長く運用すればその少なさはカバーできるのです。
このとき、無理に切り詰めすぎて投資をしてしまわないようにしましょう。積立型の投資で、一番やってはいけないのは「途中で辞めてしまうこと」。短期で解約してしまうと、複利の効果が薄くなってしまい非常にもったいないのです。
自分がいくら投資できるか分からないという人は、投資をする前に次のことをしてみてください。
・カットできる支出を洗い出して、削ってみる
そしてカットした支出を収入から引いたうえで、少しだけ預金して余りを積立投資に回しましょう。冠婚葬祭など、急な出費があったときに対応できるように少し預金しておくのがポイントです。
長期積立国際分散投資の流れ⑤ポートフォリオを組む
さて、どのような投資をするかがだいぶ固まってきましたね。次は「ポートフォリオ」を組んでいきます。ポートフォリオとは「どの金融商品をどれだけ買うか」のこと。この構成が投資パフォーマンスに大きく影響します。
このときに重要な考え方が、冒頭でも軽く触れた「分散投資」です。株式ばかりを購入してしまうと、バブル崩壊のようなことが起きると深刻なダメージを受けてしまいます。値動きが違う「債券」と株式を組み合わせたポートフォリオを組むことで、そのような損失をカバーしてくれるのです。
債券と株式を組み合わせたうえで、さらにリスク軽減をする方法があります。それは国内だけでなく、海外の株式・債券に投資をすることです。
日本経済が落ち込んだときも、逆に海外で経済発展している国もあります。ひとつの国に集中して投資するのはリスクが高いので、金融商品だけでなく「国」も分散して投資しましょう。
つまり、「日本株式」「日本債券」「海外株式」「海外債券」それぞれに投資をすることでリスク軽減ができます。しかし、投資初心者の人はどこにどれくらい投資すればよいか分からないですよね。
そこで、どの金融商品にどれだけ投資すればよいか、年齢・積立金額別にオススメのポートフォリオを表にしました。ぜひ参考にしてみてください。
20代〜30代向けのおすすめポートフォリオ(目標利率8%)
毎月3万円 | 毎月5万円 | 毎月8万円 | 配分比率目安 | |
日本株式 | 1万円 | 2万円 | 3万円 | 40% |
外国株式 | 1万円 | 1万円 | 2万円 | 20% |
外国債権 | 1万円 | 2万円 | 3万円 | 40% |
※比較的リスクを多めに取った資産配分が必要なので、現在非常に低金利になっている日本債券は外しています。
40代〜50代向けおすすめポートフォリオ(目標利率6%〜8%)
毎月3万円 | 毎月5万円 | 毎月8万円 | 毎月10万円 | 配分比率目安 | |
日本株式 | 1万円 | 1万円 | 2万円 | 2万円 | 20% |
日本債権 | 1万円 | 1万円 | 2万円 | 20% | |
外国株式 | 1万円 | 1万円 | 2万円 | 2万円 | 20% |
外国債権 | 1万円 | 2万円 | 3万円 | 4万円 | 40% |
60代向けおすすめポートフォリオ(目標利率4〜5%)
毎月3万円 | 毎月5万円 | 毎月8万円 | 毎月10万円 | 配分比率目安 | |
日本株式 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 10% |
日本債権 | 1万円 | 2万円 | 3万円 | 4万円 | 40% |
外国株式 | 1万円 | 1万円 | 10% | ||
外国債権 | 1万円 | 2万円 | 3万円 | 4万円 | 40% |
長期積立国際分散投資の流れ⑥ポートフォリオに応じて投資信託を選ぶ
さて、「ポートフォリオを組むと言っても、国内・海外のどの株式・債権に投資をすればいいの!?」と思っている人もいるでしょう。
たしかに、日本株だけでも3,000以上の銘柄があり、海外にはもっと多くの株式が存在します。これをひとつひとつ調べるのは時間がかかり過ぎてしまいますね。
また、株式や債券はそれぞれ何円からと購入できる金額が決まっています。そのため株式や債券そのものに分散するとなると、毎月かなりの金額を投資しなければなりません。
そこで、投資信託(ファンド)への投資をおすすめします。これに投資することによって、直接投資しなくても少額から分散投資をすることができるのです。
投資信託の「インデックスファンド」と「アクティブファンド」、どちらがおすすめ?
投資信託にはかなりの銘柄があるのですが、大きく「アクティブファンド」と「インデックスファンド」の2種類に分けられます。
アクティブファンドは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用担当者が銘柄の選定や売買を代行してくれるもので、高いリターンを目指すもの。
一方、インデックスファンドは、基準価額が「日経平均株価」や「JASDAQ」などのある指数(=インデックス)と同じ動きをするようにする投資信託のことです。
それぞれに一長一短がありますが、安全かつ着実に資産形成をしたのならばインデックスファンドがおすすめです。その理由は大きく2つ。
・アクティブファンドは半分以上負けており、負けたときに運用を中止してしまう
まず、アクティブファンドには上にも書いたようにファンドマネージャーが銘柄の選定や売買を代行します。これには膨大な労力がかかるため、給料などのコストも非常に高いのです。
また、アクティブファンドは運用成績が悪いと、途中で運用をストップしてしまいます。そして元金から損失分と、信託報酬や手数料などのコストを引いたお金が戻ってくるのです。
これを「償還」と言いますが、早いと2年〜3年で償還されてしまうこともあります。
さらに、アクティブファンドをオススメできない一番の理由が、「少なくともアクティブファンドの半分以上は市場平均で負けている」というデータが国内外であるということ。償還されなければいいかもしれませんが、負ける可能性が高いのです。
もちろん、アクティブファンドの全てが悪いわけではありません。しかし長期的に安全に資産を形成していくなら、インデックス型の投資信託を選ぶことをおすすめします。
投資信託を選ぶときのポイント
インデックスファンドで分散投資するとしても、これもまた銘柄が多数あります。銘柄を選ぶときにまず重要なのが、決めたポートフォリオの割合に従って、複数の種類を組み合わせることです。
インデックスファンドには、「日本株式型」「日本債券型」「外国株式型」「外国債券型」の4タイプがあります。それぞれのタイプを毎月買っていけば、自分が決めたポートフォリオに従って分散投資をしていくことができるのです。
またそれぞれのタイプの中でも複数の商品があり、その中で最も長期投資に有利な商品を選んでいくことが重要なのですが、このとき選択したいポイントが2つあります。
・分配金を出さず、複利を使って再投資してくれる「再投資型」の商品であること
1つ目のポイントは手数料が安いこと。毎月少額を積み立てていくのに、その大部分を手数料で取られるのはもったいないですよね。投資信託には「ノーロード」と呼ばれる、手数料無料のものがあるので、そのようなものを選択しましょう。
ただしノーロードの場合、信託報酬が高くて期待される利回りが悪い場合もあります。信託報酬についてよく確認し、不明点があれば担当者に質問しておきましょう。
ポイントの2つ目が「分配金を出さず、複利を使って再投資してくれること」。投資信託の中には、高い分配金を売りにしているものがあります。しかしその分配金を再投資することで、さらに資産形成のスピードを上げることができるのです。
そのため、増えたお金を受け取らないで、そのまま投資してくれる「再投資型」の商品を選択しましょう。
1つ購入するだけで分散投資ができる「ファンドオブファンズ」
投資信託にはさまざまな種類がありますが、中には「複数の投資信託に投資する投資信託」であるファンドオブファンズというものがあります。この投資信託は、株式や債券に投資する複数の投資信託の銘柄をいくつか組み入れてポートフォリオを組んだものです。
この商品を購入すると、「日本株式型」「日本債券型」「外国株式型」「外国債券型」に分散投資する作業を1つの商品で賄えます。しかも各タイプの投資信託を分散して直接買うよりも、低額から投資を始められるため、とても便利なのです。
ここでおすすめのファンドオブファンズを紹介しておきます。セゾン投信で販売している「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」というものです。
一般的に、ファンドオブファンズ型の投資信託はコストが高いと言われています。しかし、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は販売手数料が無料(=ノーロード)で、かつ実質的な信託報酬料が0.77%程度とかなり割安なのです。
もちろんファンドオブファンズも万能ではないため、自身が目指すポートフォリオに一致しないこともあるでしょう。そのようなときは、他の投資信託を組み合わせてリスク軽減するという方法もオススメです。
長期積立国際分散投資の流れ⑦年に一度リバランスする
どの投資信託を選ぶか決めて、投資したらあなたはもう立派な投資家です。しかし、投資したらそれで終わりではありません。
投資信託は原則1日1回しか値段が変わらないため、一日中値動きを確認する必要はありません。しかし毎月積み立てていることを忘れて、何も手をつけなくてよいわけではありません。
長期投資は長期放置するということではなく、ポートフォリオの中身を定期的に見直す「リバランス」が必要です。資産の種類によって期待できるリターンに差があるため、長期投資の途中でチェックしないといけないのです。
例えば、株式を60%、債券を40%というポートフォリオで運用開始しても、通常では株式の方が期待できるリターンが大きいため、株式の比率が上がっていきます。すると分散投資のバランスが崩れてしまい、リスクが高まっていくのです。
そこで増えた比率を戻すために、増えた分の株式ファンドを売って債券ファンドを買うリバランスが必要になります。
このリバランスを行うときに気をつけるべきなのは、相場の行き先を予想せずに、当初決めた比率になるように機械的に行うことです。
調子がいい金融商品があって買い増しした結果、暴落して損失を出したというように、ギャンブルに走ってしまうことがあります。どんなに資産が増えても、最初に決めた比率を守ってリバランスをすることでリスクを軽減できるのです。
リバランスはどの頻度で行えばいいのかと言うと、急激に比率が偏ったとき以外は、だいたい年1回行えばよいでしょう。利益が出たものを売ると税金が発生するほか、商品によっては売買の際に手数料がかかるので、リバランスを何回も行うのはもったいないのです。
なお積立型の投資なら、比率が高くなった商品の毎月の購入額を減らして、比率が低くなった商品の購入額を増やすのがよいです。これだけなら、売買が伴わないため税金や手数料がかかりません。
【まとめ】長期積立国際分散投資の流れ
この記事では、長期積立国際分散投資の流れについて解説しました。最後に、もう一度流れをおさらいしましょう。
②ゴール達成までの年数を決める
③高すぎない、毎年の目標利率を決める
④多すぎない、毎月の積立金額を決める
⑤リスクを分散したポートフォリオを組む
⑥ポートフォリオに応じて投資信託を選ぶ
⑦年に一度リバランスしてリスク軽減する
この流れを踏めば、あなたもきっと安心のできる資産形成をすることができます。そのためにはリスクを抑え、長期的な投資をすることを心がけましょう。